2013年9月8日日曜日

本の綴じ






















初版は昭和16年、再版の昭和19年発行の『采花集』をルリユールのために解体しました。
薄い芯板紙を和紙の表紙でくるんだくるみ製本で、経年変化で背が少し外れていました。
戦時中だったにもかかわらず、本文は地模様が印刷されたうえに活版印刷、表紙や見返しには木版多色刷り印刷が使われています。現代の感覚で考えるとものすごく贅沢な本作りです。
平紐で結わえる形のジャケットにも木版画が使われています。
装幀者は画家の中澤弘光。木版印刷は西村熊吉、製本は京都、眞英社と記されています。


綴じ方は、ミシンかがりも同じように2本の糸ですが、この本のかがりは機械ではなく手かがりです。目引きの状態や、綴じ糸の結び目も見えます。折丁の内側で2本の糸が交差し、背でリンクさせながらかがってあり、西洋の初期の冊子の綴じ方に似ています。
奥つけに小さなスタンプで3000部とありますが、この綴じを手作業でされていたとはすごいです!
和本から洋本にスタイルが変わっていっても、日本の古書の中にはさまざまなかたちで和本の遺伝子が残っているようです。
この本は、11月の展覧会に向けて制作進行中。




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