2019年1月19日土曜日

私の道具箱:ヘラの作り方


私のよく使うヘラ達をご紹介します。
初めて作ったヘラは、左端の江戸ヘラと呼ばれる形の和裁用のヘラです。
先を薄くした程度の加工しかしていませんが、エッジの尖った部分が使いやすく、コーナーを決めるときなどに便利です。
お隣はテフロン製で、糊がつきにくく弾力があり、素材へのあたりが柔らかです。
真ん中はコワフを作るためのもの、右からに2番目はノーマルなタイプ、右端は胴がまっすぐで、広い面積を押さえるときによく使っています。
輸入品の骨ヘラは加工して使うので、ヘラの削り方を下記に入れておきます。
モデルは右から2番目のノーマルタイプです。

各素材の元の形状によって、先の緩やかなカーヴ、尖ったものなどつくりわけるとよいでしょう。素材の状態によって違いますが、元のヘラに反りがあれば机の上などでまわしてみて、クルリと廻る面を下側にして加工すると使いやすいです。



◆準備するもの
右から、板に貼り付けた紙ヤスリ120番、ロールの紙ヤスリ220番(これを板に貼り付ける)、耐水ペーパー(水をつけて削るタイプ)400~仕上げ用12002000番くらいまで、数種類を用意。




上は反りが強いタイプのノーマルのヘラ。下が今回制作するヘラです。
未加工のへら先は厚いのがわかりますでしょうか? 


ヘラを使用するとき、紙面などに指があたるので、反っていると握りやすくなります。そこで、できるだけ反りのある面を下側にして加工するのです。ヘラは先も横側もいろいろな部分を使うので、使いながら各自にあった細かな加工をするといいでしょう。



ヘラの先部分の下側をなだらかになるよう紙ヤスリで削ります。
最初は粗い番手のものから順に細かい番手に。120400番くらい。
厚みがあれば、側面に向かってなだらかになるように削ります。


ヘラの使う面、下側をまず平らに、なだらかになるよう削ったら、上側の側面を削っていきます。各素材の元の形状によって、鋭いエッジをもつものや左のヘラのように、緩やかなカーヴを持ったものなどにつくりわけます。


上側をやすり掛けするときは、板やすりに対して斜めに構えて円弧を描くようにすると、なだらかに出来あがります。反対面も同じように。 
厚みのある素材はエッジをつけて、薄手のものはなだらかにするとよいでしょう。  


形がととのってきたら、水をつけて順に番手の細かな耐水ペーパーでなめらかになるように磨いていきます。薄すぎたり尖りすぎると素材を傷つけるので、最後に1200番~2000番くらいの耐水ペーパーで研磨して、尖ったところがないように仕上げます。


研磨が終わって出来上がり。正面からではあまりわからないかもしれませんが、
エッジは薄くなっているので細かな押さえや印がつけやすくなりました。

  
亜麻仁油(リンシードオイル)などをふくませておくと、作業中につく糊などの汚れが落としやすくなります。ペーパータオルなどに亜麻仁油を塗ってヘラをくるんでラッピング。一日ほど寝かせてから、よく油分を拭き取ってから使ってください。
骨製のヘラは欠けやすいのでコンクリートの床などに落とさないよう気をつけましょう。 




年末にPCが壊れてしまってジオシティにあったアトリエウェブサイトも更新できなくなっていたのですが、春までにサイトサービスそのものが終了するので、そこにおいてあったヘラの作り方をちょっぴり追記してブログに転記いたしました。
同じく『書物の歴史』のサイトもなくなります。
ご覧いただいた皆様ありがとうございました。

追記:『書物の歴史』サイトは、2019年に再構築、復活いたしましたので、引き続き
下記でご覧いただけます。