2023年7月25日火曜日

うらわ美術館の本のワークショップ

毎年開かれているワークショップのお知らせです

本のワークショップ

フランス装の画帳

2023年9月16日(土)13:00−16:00  フランス装の画帳
折丁を糸かがりして折りたたんだ紙表紙でくるむ、フランス装のスタイルで画帳を作ります。 
麻糸でかがり、表紙にはマーブル紙を使います。

リンプ装の画帳

2023年9月17日(日)13:00−16:00  リンプ装の画帳
表紙の芯に板やボードを使わず、パーチメントや紙で作られたソフトカバーがリンプ製本です。
支持体にリボンを使って麻糸でかがり、ニュアンスのある表紙で作ってみましょう。

会場:うらわ美術館 視聴覚室(ギャラリーD)
定員:各日、16 名(中学生以上)
材料費:16日1200 円 、17日1500円 ※会場受付にて現金でお支払いください。
持ち物:筆記用具(鉛筆)
申込み方法:8月22日(火)必着で、①参加希望の日程、②氏名(ふりがな)、③年齢、④住所、⑤電話番号を明記の上、往復ハガキで「本のワークショップ係」宛、またはインターネット
(さいたま市生涯学習情報システム https://gakushu.city.saitama.jp/ でお申し込みください。
1名単位で受付けます。(1 枚のは
がきで複数人の申し込みはできません。)定員を超えた場合は抽選とし、結果は、往復はがきでお申し込みの方には返信用はがき、インターネットでお申し込みの方にはメールで9 月1 日(金)までにお知らせいたします。

講師:藤井敬子
アシスタント:中野裕子(16 日、17 日)、佐藤真紀(16 日)、山下麻弥(17 日)

問い合わせ
うらわ美術館 本のワークショップ係
〒330-0062
さいたま市浦和区仲町2-5-1
浦和センチュリーシティ3F
TEL 048-827-3215
FAX 048-834-4327



2023年7月5日水曜日

海の話

 


日比谷でルリユール「海の本」展に出品している一つは、エストニアの国際製本展「Scripta Manent Ⅲ」の受賞作、『 MAAILMA PARIM ASI/THE BEST THINGS IN THE WORLD』

この年はエストニアの7〜15歳の子ども達が書いたお話を、エストニア語と英語で印刷したテキストを元に、デザイン製本をするコンクールで、5年ごとに開かれています。いくつかのお話には、さまざまな技法で描いた私の絵を添えています。
表紙は、”The Fairytail of a Seashell”にインスパイアされたデザインです。遠く離れた祖母から孫へFairytailを海の貝に秘めて届ける・・・というお話だったと記憶しています。

 MAAILMA PARIM ASI/THE BEST THINGS IN THE WORLD
エストニアの子ども達著
The Estonian Association of Designer Bookbinders/ Tallin,2004

プラ・ラポルテ製本
仔牛革、山羊革、手染め和紙
303×229~600×23mm 2005年
タイトル箔押し:大家利夫


エッチングを切り抜いて、染めた雁皮紙でラミネート




2023年7月4日火曜日

海の本


日比谷でルリユール「海の本」展が7月2日より始まりました。
閲覧室に続くオープンスペースに、展示ケースを設置して作品を展示しています。
ルリユール作品をより知っていただければと、壁面には工芸製本用語集と図解のバナーも掲示しました。触れることはできないけれど、それぞれが趣向を凝らした表紙や見返し、素材など「眺める本」としてご覧いただければ幸いです。
図書館に同じタイトルが所蔵されてる本は、近くに展示があるので元を見ることができます。

私の作品は2005年の本と、長らく眠っていた新作です。
右の青い本が『ぼくの航海日誌』。出版された本の装幀は、左のオレンジ色の『老人と海』の作者です。


初版の帯には「大正12年3月出港」、とある詩人はちょうど今年が生誕100周年です。
この本は三方金をつけるために1990年代にフランスまで渡航を経験し、はなぎれも編んで、革表紙をつける準備までで眠らせていました。元表紙はなく、原本の箱のイラストを綴じ込んでいます。


『ぼくの航海日誌』
田村隆一著 銅版画・山本容子 装幀・渡辺和雄 中央公論社 1991年




綴じつけ製本
山羊革、仔牛革、パーチメント、手染め和紙、三方金
194×154×21mm  1993年、2023年
タイトル箔押し:大家利夫
シュミーズ、スリップケース
山羊革、ラムース、ドローイング、ペーストペーパー