2020年11月10日火曜日

新しい手帳



京都のNHK文化センターの10月講座で来年の手帳を制作。
プラ・ラポルテ風に仕立てました。下段は10月に制作していたルリユールのためのペーストペーパーの試作や切れ端を組み合わせた表紙で、中身は無印良品のマンスリー手帳。12月始まりなので、暫し待機中です。




2020年10月20日火曜日

特別研究室企画展示

100年後も手に取れる本に内田嘉吉文庫修復報告2020−

2020年10月20日-12月28日

平日10:00-20:00  土曜-18:00  日・祝-16:00

2019年度、日比谷図書文化館特別研究室では内田嘉吉文庫をはじめとする特別研究室所蔵資料計15点の修復を行いました。そこで、修復報告の一環として、修復を終えた資料とその作業記録を公開します。
今回は糸綴じのみならず、針金綴じ、釘綴じの資料の修復も行われ、材料や技法の創意工夫により、安心して手に取ることができるようになりました。活用と保存の両立のためにはどのような修復が必要か、実物と修復作業の記録パネルでご覧ください。

日比谷図書文化館 4階 特別研究室


私が修復を担当した本も展示されます。
画像は、1817年ロンドン刊行の2巻本"
THE HISTORY OF JAVA"。
ライブラリースタイル製本の仕様で仕立てています。
中性ボードでスリップケースを作成。大きさがあまり変わらないので、ケースにも1巻目の原本のタイトルの写真を加工したタイトルピースを入れました。

2020年10月7日水曜日

#本をつくろう「自然」

東京製本倶楽部のWeb展覧会 #本をつくろう「自然」に新作を出しました。


『樹木たちの知られざる生活』-森林管理官が聴いた森の声
ペーター・ヴォールレーベン著、長谷川圭・訳、早川書房 2018年刊

プラ・ラポルテ製本
タモ材、和紙、仔牛革、山羊革、2020年作 H161×110×17mm     

そういえば、緑色の本ばかりアップしています。
この本は、エストニアの"Forestonia"の本をつくろうとしていた時期にヨーロッパの森について知りたくて読んだのですが、「自然」のテーマにもぴったりだと選んで製本しています。
タモの樹皮にタイトルをインクジェットプリント。樹皮も横目?は折れにくく、和紙で裏打ちして背表紙に。見返しと表紙は森をイメージして描いた絵を元にペーストペーパーを作り、革を加えて織モザイクで制作しています。





2020年9月20日日曜日

Scripta Manent VI

International Exhibition of Artistic Bookbinding:Scripta manent VI

“Forestonia. Estwald. Mine Metsa!“

2020年9月11日-10月3日

ARS Art Factory Project Room,Pärnu mnt 154,  Tallinn

Valdur Mikita氏の著作、 “Forestonia  Estwald Mine metsa!” をエストニア語、英語、ドイツ語で印刷された未綴じテキスト。このテキストをデザイン、製本する5年ごとに開催されるコンクールの展覧会が開かれています。
各国でイベントが中止される中、展覧会を開催してくださった関係者の皆様に感謝いたします。15カ国、129名の作品が出品。9月11日、「Golden Book賞」3名と「Premium賞」10名、「学生賞」「技術特別賞」「Valdur Mikita」賞が発表されました。

私は「Premium賞」をいただきました!

言語の章ごとに、色雁皮紙に刷った木版画を綴じ込みました。
この出品作品はコロナで海外便がストップする前にエストニアに出発。その制作過程などを入れて作った小さなパスポートは「#本をつくろう_旅」Web展覧会に出品しています。


2020年8月24日月曜日

秋からの講座

 京都のNHK教室、秋からの講座の募集が始まります

ルリユールの時間

2020年10月25日-2021年3月26日

「半革装の本つくり」

大切にしたい本を糸綴じして半革装に改装します。
古い本など手当てが必要な場合は補修もして、ソフトケースも作りましょう。

・改装したい本(できれば糸綴じ、A5以内、20mm以内の厚さの本)をお持ちください。

◆お問い合わせお申し込み先 

NHK文化センター京都教室
京都市下京区四条通柳馬場西入立売中之町99 四条SETビル3F
http://www.nhk-cul.co.jp/school/kyoto/

2020年8月5日水曜日

アリス・B・Tの本をめぐる旅 #本をつくろう「旅」





「アリス・B・トクラスの料理読本」の著者のアリス・B・トクラスはサンフランシスコ出身。Musubu展出品作は上の写真、右側の本をルリユールしました。

そして今回の小さな本は、その制作記録と2017年9月のうらわ美術館での展示、2018年のサンフランシスコでの展示写真で構成した、一冊の本をめぐる記録です。四方に広がる折本。

はじめての動画!



2020年8月1日土曜日

本のワークショップ うらわ美術館

今年もうらわ美術館主催の本のワークショップが開催されます。
今回は美術館内ではなく、感染拡大防止のため広い会場で行われます。

本のワークショップ −入門編


折本の画帳 
9月19日(土)13:00~16:00


旋風葉の画帳 
9月20日(日)13:00~16:00

会場■ さいたま市 生涯学習総合センター 10階多目的ホール 
シーノ大宮センタービル
さいたま市大宮区桜木町1-10-18

定員■ 各回24 名(中学生以上)

材料費■ ①折本の画帳、②旋風葉の画帳 各1,000 円 

申込み方法■8 月21 日(必着)で、参加希望の日付とワークショップ名、氏名、ふりがな、連絡先(住所、電話番号)を明記の上、「往復はがき」または「インターネット(さいたま市生涯学習情報システム)」にてうらわ美術館までお申し込みください。1 人1 講座単位で受付けます(1 枚の用紙で複数講座・複数人数の申し込みはできません)
定員を超えた場合は抽選とし、結果は往復はがきでお申し込みの方には返信用はがき、インターネットでお申し込みの方にはメールで8 月28 日(金)までにお知らせいたします。

問い合わせ先■うらわ美術館
〒330-0062 さいたま市浦和区仲町2-5-1浦和センチュリーシティ3F
TEL 048-827-3215
FAX 048-834-4327

https://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/

2020年7月30日木曜日

本のパスポート 

森へのパスポート

#本をつくろうWeb展覧会に向けて「森へのパスポート」をつくりました。
ルリユール作品と同じ素材を使って、制作記録なども入れた小さな本です。

海外の展覧会などに出品した作品のための「パスポート」を個展の時によく作って展示していました。ルリユール作品は展示だけだったので、手で触れて素材や渡航記録、展示記録などをみてもらえるようにするためです。
 

左から、フランスのビエンナーレの本、リトアニアのフォーラムへの2点。
パリで開かれたAIRneuf「金と銀」展のためのパスポート。すべて


初めて制作したのはたぶん、左端の2000年の個展『旅する本』に出したルリユール作品「CYRANO DE BERGERAC」のためのパスポート。1999年4月26日に出国して、9月23日に帰国したと記録しています。フランスのビエンナーレでエドモンド・ロスタン賞をいただいた本です。この個展では海外に旅したルリユールを主に出品していました

 
2000年10月『旅する本』展  ガレリア・グラフィカbis


2020年7月14日火曜日

本を読んで、本をつくろう


  三島由紀夫賞候補の作品
山本周五郎賞候補の作品

毎年、6月は三島由紀夫賞、山本周五郎賞受賞作のルリユールをしていますが、今年は選考会が秋になったので、受賞候補作をStay Home中にゆっくり読んでいました。
それぞれの本のジャケットカバーはルリユールするときに綴じ込むので、一旦外して読んだりしています。
読書に没頭している時間を暫し過ごすと、私の場合は本をつくる時間です。
現在進行中は、フランス語の詩と版画の本。
そして、「#本をつくろう」プロジェクトのための、旅の本。
コロナの時期には海外にはなかなか行けそうにないけれど、読書で時間旅行、異文化旅行をするのもありかと思います。作品が出来上がったら写真をアップしようと思います。


2020年6月25日木曜日

いまをとじる


うらわ美術館の企画、Art into Life「いまをとじる」で「ハガキでルリユール」のテキストを作りました。美術館のウェブサイトからPDFをダウンロードできます。
そして、学芸員さん制作の動画が YouTube にアップされました。
どうぞみなさんも身近な素材でぜひ作ってみてください! 
#本をつくろう



2020年6月11日木曜日

カロリング製本モデル


8〜11世紀ごろの製本スタイル。「カロリング製本」は歴史・美術史でいうところのカロリング・ルネサンスとは違って、同じような製本構造を持つ本を表す用語です。
2013年、東京製本倶楽部の勉強会の歴史的製本モデル制作ワークショップで作ったものと、それ以前にシルマイ氏(J.A.Szirmai)の本を参考に試作してみたモデルです。
オーク材の表紙板に溝を彫り、麻紐の支持体を通してから本文をヘリンボンステッチで綴じます。また、表紙に支持体を通して花ぎれを編み、表紙(白鞣し革)を貼ってタブの縁を編むまで1日がかりの作業でした。




ザンクト・ガレン修道院にはこの製本構造を持つ多くの写本が残されているとのこと、ぜひ行ってみたい図書館の一つです。

2020年5月12日火曜日

私の道具箱:コンポスチュール


箔押し器
活字を込めてタイトルを手押しするための道具です。
いろいろなタイプがありますが、写真はずっしり重いイギリス製で上部に専用のネジを差し込んで、たわむ金属板で組んだ活字を固定するタイプです。


活字の高さに合わせて作られたフランス製のコンポスチュールも真鍮製で重いです。込め物もそれぞれに合わせて真鍮で作られています。(写真右)
それと同じタイプの日本製は小さく軽く、私が製本初心者の頃に買い求めた品です。支柱が曲がってしまったので、もっぱら私製葉書へpost cardスタンプを押すために使っていました。(写真左)
中央の日本製は片側がオープンな横のネジで締めるタイプで、活字の大きさは自由に組めます。軸木に彫られたミゾ部分が手の平に当たって痛かったので、白いモロッコ革の端切れでぐるっと巻いてあります。革のシボが滑らず手にしっくり馴染むので、このコンポスチュールを使うことが多いです。

2020年4月10日金曜日

京都の講座での作品

京都のNHK文化センターは全講座休講で、春の講座は延長されて6月から始まる予定です。

3月までの講座では、プラ・ラポルテ製本とド・ラポルテ製本で文庫本を改装しました。3冊目はどちらかお好きな製本スタイルでの制作が進んでいました。写真は、最終日にお持ちだった受講生の皆さまの作品です。制作中の方もいますし全員の作品を撮るチャンスが中々ないですね。背のクロスが平にも見えている8点が、ド・ラポルテ製本です。


2020年4月5日日曜日

京都の展示

二つの画廊で開催されていた「京都空想装幀室展」が終了いたしました。
新型コロナウィルス流行の大変な状況にもかかわらず、ご高覧くださいましたみなさま、企画、運営してくださった皆さまに感謝申し上げます。 ありがとうございました!



今回、京都に因んで作った新作は以下の文庫本でした


『若冲』澤田瞳子著 
プラ・ラポルテ製本、木版画、革、オリジナルペーストペーパー 
梅の花をモチーフにした版画といろいろな革を組み合わせ、織りモザイクの手法で表紙をつくっています。「プラ・ラポルテ製本」は背表紙を本体に先に接着してから、平表紙部分を後からとりつける技法です。タイトルを活字で入れたかったため、背と表紙に異素材を使えるこの製本方法を選んでいます。 

2020年3月3日火曜日

京都空想装幀室展

桜の季節、京都空想装幀室展に出品いたします。ぜひご覧ください。
写真の緑色の箱はアートゾーン神楽岡に出品する文庫本のシェルケース。
DM下段の中央がギャラリー恵風に出品する文庫本です。


京都空想装幀室
3月21日-4月5日 11:00-19:00 水・木休廊(4月5日は17:00まで)
オリジナル装丁による本と本の形式を使った作品の展示。

出品作家:岩切裕子、柄澤齊、大力拓哉、常田泰由、板東壮一、林千絵、原陽子、藤井敬子、筆塚稔尚、溝上幾久子、宮本承司、安井寿磨子、横山智子

アートゾーン神楽岡
京都市左京区吉田神楽岡町4
http://www.artzone-kaguraoka.com/

京都空想装幀室
3月24日-3月29日 12:00-19:00 月曜休廊(3月29日は18:00まで)
それぞれの版画家がオリジナルカバーに意匠替えした文庫本と版画小品を展示。

出品作家:伊藤亜矢美、岩切裕子、柄澤齊、大力拓哉、原陽子、藤井敬子、筆塚稔尚、溝上幾久子、宮本承司、安井寿磨子、横山智子

ギャラリー恵風
京都市左京区聖護院山王町21-3
http://g-keifu.com/

2020年2月23日日曜日

春のルリユールの時間

4月からの講座のご案内です。




ルリユールの時間
2020年4月25日-2021年9月26日
「オープン背表紙と交差式製本」
講師:藤井敬子
縢り糸が見えたり隠れたり、背の表情がポイントです。
交差式製本は背の糸が見えないバージョンで仕立てます。
いずれも背固めをしない緩やかな開きの本が仕上がります。

お問い合わせお申し込み先 (2月22日よりWeb先行予約開始)
NHK文化センター京都教室
京都市下京区四条通柳馬場西入立売中之町99
四条SETビル3F
http://www.nhk-cul.co.jp/school/kyoto/

2020年1月1日水曜日

Happy New Year 2020


明けましておめでとうございます
心躍ることをたくさん見つけられる 平和な一年でありますように!