京都のNHK文化センターの10月講座で来年の手帳を制作。
プラ・ラポルテ風に仕立てました。下段は10月に制作していたルリユールのためのペーストペーパーの試作や切れ端を組み合わせた表紙で、中身は無印良品のマンスリー手帳。12月始まりなので、暫し待機中です。
特別研究室企画展示
100年後も手に取れる本に−内田嘉吉文庫修復報告2020−
2020年10月20日-12月28日
平日10:00-20:00 土曜-18:00 日・祝-16:00
2019年度、日比谷図書文化館特別研究室では内田嘉吉文庫をはじめとする特別研究室所蔵資料計15点の修復を行いました。そこで、修復報告の一環として、修復を終えた資料とその作業記録を公開します。
今回は糸綴じのみならず、針金綴じ、釘綴じの資料の修復も行われ、材料や技法の創意工夫により、安心して手に取ることができるようになりました。活用と保存の両立のためにはどのような修復が必要か、実物と修復作業の記録パネルでご覧ください。
日比谷図書文化館 4階 特別研究室
私が修復を担当した本も展示されます。
画像は、1817年ロンドン刊行の2巻本"THE HISTORY OF JAVA"。
ライブラリースタイル製本の仕様で仕立てています。
中性ボードでスリップケースを作成。大きさがあまり変わらないので、ケースにも1巻目の原本のタイトルの写真を加工したタイトルピースを入れました。
『樹木たちの知られざる生活』-森林管理官が聴いた森の声
ペーター・ヴォールレーベン著、長谷川圭・訳、早川書房 2018年刊
プラ・ラポルテ製本
タモ材、和紙、仔牛革、山羊革、2020年作 H161×110×17mm
そういえば、緑色の本ばかりアップしています。
この本は、エストニアの"Forestonia"の本をつくろうとしていた時期にヨーロッパの森について知りたくて読んだのですが、「自然」のテーマにもぴったりだと選んで製本しています。
タモの樹皮にタイトルをインクジェットプリント。樹皮も横目?は折れにくく、和紙で裏打ちして背表紙に。見返しと表紙は森をイメージして描いた絵を元にペーストペーパーを作り、革を加えて織モザイクで制作しています。
International Exhibition of Artistic Bookbinding:Scripta manent VI
“Forestonia. Estwald. Mine Metsa!“
2020年9月11日-10月3日
ARS Art Factory Project Room,Pärnu mnt 154, Tallinn
Valdur Mikita氏の著作、 “Forestonia Estwald Mine metsa!” をエストニア語、英語、ドイツ語で印刷された未綴じテキスト。このテキストをデザイン、製本する5年ごとに開催されるコンクールの展覧会が開かれています。
各国でイベントが中止される中、展覧会を開催してくださった関係者の皆様に感謝いたします。15カ国、129名の作品が出品。9月11日、「Golden Book賞」3名と「Premium賞」10名、「学生賞」「技術特別賞」「Valdur Mikita」賞が発表されました。
私は「Premium賞」をいただきました!
言語の章ごとに、色雁皮紙に刷った木版画を綴じ込みました。京都のNHK教室、秋からの講座の募集が始まります
ルリユールの時間
2020年10月25日-2021年3月26日
「半革装の本つくり」
大切にしたい本を糸綴じして半革装に改装します。
古い本など手当てが必要な場合は補修もして、ソフトケースも作りましょう。
・改装したい本(できれば糸綴じ、A5以内、20mm以内の厚さの本)をお持ちください。
◆お問い合わせお申し込み先
NHK文化センター京都教室
京都市下京区四条通柳馬場西入立売中之町99 四条SETビル3F
http://www.nhk-cul.co.jp/school/kyoto/
「アリス・B・トクラスの料理読本」の著者のアリス・B・トクラスはサンフランシスコ出身。Musubu展出品作は上の写真、右側の本をルリユールしました。
そして今回の小さな本は、その制作記録と2017年9月のうらわ美術館での展示、2018年のサンフランシスコでの展示写真で構成した、一冊の本をめぐる記録です。四方に広がる折本。