2020年10月20日火曜日

特別研究室企画展示

100年後も手に取れる本に内田嘉吉文庫修復報告2020−

2020年10月20日-12月28日

平日10:00-20:00  土曜-18:00  日・祝-16:00

2019年度、日比谷図書文化館特別研究室では内田嘉吉文庫をはじめとする特別研究室所蔵資料計15点の修復を行いました。そこで、修復報告の一環として、修復を終えた資料とその作業記録を公開します。
今回は糸綴じのみならず、針金綴じ、釘綴じの資料の修復も行われ、材料や技法の創意工夫により、安心して手に取ることができるようになりました。活用と保存の両立のためにはどのような修復が必要か、実物と修復作業の記録パネルでご覧ください。

日比谷図書文化館 4階 特別研究室


私が修復を担当した本も展示されます。
画像は、1817年ロンドン刊行の2巻本"
THE HISTORY OF JAVA"。
ライブラリースタイル製本の仕様で仕立てています。
中性ボードでスリップケースを作成。大きさがあまり変わらないので、ケースにも1巻目の原本のタイトルの写真を加工したタイトルピースを入れました。

2020年10月7日水曜日

#本をつくろう「自然」

東京製本倶楽部のWeb展覧会 #本をつくろう「自然」に新作を出しました。


『樹木たちの知られざる生活』-森林管理官が聴いた森の声
ペーター・ヴォールレーベン著、長谷川圭・訳、早川書房 2018年刊

プラ・ラポルテ製本
タモ材、和紙、仔牛革、山羊革、2020年作 H161×110×17mm     

そういえば、緑色の本ばかりアップしています。
この本は、エストニアの"Forestonia"の本をつくろうとしていた時期にヨーロッパの森について知りたくて読んだのですが、「自然」のテーマにもぴったりだと選んで製本しています。
タモの樹皮にタイトルをインクジェットプリント。樹皮も横目?は折れにくく、和紙で裏打ちして背表紙に。見返しと表紙は森をイメージして描いた絵を元にペーストペーパーを作り、革を加えて織モザイクで制作しています。