日比谷図書文化館での「ルリユールの日々」展示もあと1週間となりました。
会場にいなくてたいへん申し訳ないのですが、皆様ご覧いただきありがとうございます。
今回の芳名録は近藤理恵さん作の2折中綴じのノートです。ご感想などメッセージをいただければとても嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
ポスターとバナーは渡辺和雄氏のデザインで、私はタイトルとキャプションを作りました。
1998年から2024年までに私たちが制作した、さまざまな製本スタイルの作品を展示しています。伝統的な綴じつけ製本も総革装、半革装などの違いがありますし、デザインや表紙装飾だけでなく、見返しの素材が革だったり布や紙だったり、仕立て方にはさまざまなバリエーションがあります。これらは私たちの所蔵本なので、展示のために眠っていた本を取り出すと、その本をどのような構造にするか、デザインは素材はどうしようかと考えていた遥かな日々を思い出します。
1999年9月、フランスの第5回バスク製本ビエンナーレ展に出品した作品は、『シラノ・ド・ベルジュラック』の初版から100年を記念して出版されたテキストを製本するコンペティションへの出品作。制作過程の写真は撮っていないので、キャプションには本文を撮影して載せています。
この頃は和紙の繊維を生かしてモザイク紙を作ることが多く、見返しにもシュミーズにもその手法を使っています。オレンジ色の山羊革は、パリのRelmaで、仔牛革は日本で入手した革です。
1999年のグランプリは坂井えりさんが受賞、私も賞をいただいたので、エドモンドロスタン美術館での授賞式に行きました。サンレミでは2年ごとにコンペティションが開かれていますが、私はこの回のみの参加でした。